高反射率塗料

久しぶりに晴れました。
週末が花見の見頃でしょうか?

さて、本社4階から敷地内の建物の屋根を撮った写真です。
ほぼ同色に見えますが、違う塗装の屋根材を試験的に葺いています。

これを熱画像でみてみると・・・・こんな感じになります。温度の違いが一目瞭然ですね。
ヒートアイランド減少を抑制するために、こうした塗料に対して助成制度もあるようです(エリア限定)。
塗装も良いですが、こうした塗装が施された屋根材も対象になると良いですね。

*今日のような肌寒い日は、熱が伝わってきた方がうれしいときもありますね。
*手前の古いスレート屋根は、更に温度が上がっているようです。

菊絞り

写真にあるように、半丸の軒といを、エンドキャップを使わず、納める方法です。
今でも鋼板雨といの多い地域では、見かけますが、
寒冷地以外では、見る機会も少なくなりました。
 *以前に撮影した新建工舎設計さんの物件写真を使わせて頂きました

そんな菊絞りの話が先日ある方から出ました。
ちょうど半丸の中心部分が、少しだけ欠けたような形になる菊絞り。
その部分がうまい具合にオーバーフローの役割を果たすのではないかとのこと。

住宅用の軒といは大型化が進んでいます。
ゲリラ豪雨への対応や、破風板自体が厚い建物が多いこともその理由だと思われます。

軒先のラインを薄く見せようと思うと、大きな軒といはどうしても目立ってします。
スタンダードが採用される理由のひとつは、控えめな大きさということもあるようです。

家を守る工務店の側からすると、できれば大きな軒といにしておいた方が安心。
建物側に雨が溢れてしまっては、問題が出ることも考えられます。

菊絞りはそんな点でも有効ではないかというお話でした。

通常、当社に雨といの計画を依頼されると、
140~160mm/h程度の雨量計算で、大きさを提案します。
  (理科年表で地域の降雨量を考慮する)
どうしてもという話があれば、100mm/h程度まで抑えて、計算することも。

オーバーフローを含めて計画できれば、大きさを抑えやすくなりますね。

他にも、興味深いことがあります。

例えば、リビングなどからオーバーフローする様子が見えるようにデザインすれば、
今日は雨が飛び出しているから、かなりの雨量だと、住まい手が気づくようになります。
子どもがいれば喜ぶかもしれません。
ヨーロッパで見かけるガーゴイルのようですね。

またこんな時にも役立ちます。

あまり雨が降っていないのに、オーバーフローしている。
つまり雨といがどこかで詰まっているということを発見出来るというわけです。

雨の様子が住まい手にうまく伝わる。

これも雨のみちをデザインする仕事といえるかもしれません。

*写真でしか見ていませんが、アアルトのルイ・カレ邸の軒とい。
 菊絞りではありませんが、たて樋がなく、そのまま噴射するようなデザインです。
 これこそ、雨の様子が一番よくわかるデザインかもしれませんね。

3人家族

3/26~31まで家内と次女が学校の活動の関係で出かけています。
ということで、現在、3人家族。

結構、手伝ってくれるので助かっています。

たまにはこういう日々も良いかも。

伊礼さんに出会えたきっかけとなる一本の電話

私が初めて伊礼智設計室にお邪魔することになったきっかけは、
スタッフから弊社に頂いた一本の電話でした。

社長に就任して2年目の冬。
土日休みなんですが、仕事が終わらず、ひとりで土曜出勤。
シーンとした中で、黙々と仕事をこなしていたところ、電話がなりました。

普段、あまり電話を取ることはないのですが、
一人だったことや、その時の「呼び出し音」が
何か違って聞こえた?こともあり、取ってみました。

資料請求の電話でした。
内心「HPからでも資料請求は出来るのに」とか
「なんで今日は留守電にならなかったのだろう」などと思いながら、
問い合わせの内容をメモしました。

送り先の社名、住所を聴くと
「あれ、この名前はどこかで聞いたことがある」
「この住所って、OMの石田先生がいらっしゃった事務所の近くでは?」
などと思いつつ、電話を切りました。

そして、残務処理に集中していたところ。

あれだ!!

と思い出し、会社の書棚へ。
手に取った本は、「オキナワの家」
著者を確認すると 建築家伊礼智 とあります。

実はちょうどその頃、絵本をつくろうと構想中でした。
ご存じの方も多いと思いますが、
雨くんのひとり旅」 という絵本。

タニタハウジングウエアの仕事は、つくったモノを売って終わりではなく、
そのモノによって、住まい手が得られる価値を提供しているんだ。

私たちの仕事を「雨のみちをデザインする」ことと位置づけ、
その思いを、社内外にうまく理解してもらうために、
絵本をつくってはどうかと考えていました。

そんなとき、2004年の12月頃でしょうか、池袋のジュンク堂で偶然出会ったのが、
「家ってなんだろう」「家のきおく」「オキナワの家」の3冊。
早速3部ずつ購入し、1冊は自宅に、1冊は会社に、
そしてもう1冊は絵本づくりを一緒に考えて頂いている会社に送りました。

中でも一番印象に残っていたのが「オキナワの家」
以前、沖縄に行った際に、名護市役所や中村家を見ていたので、
とても親しみを覚える内容でした。

「オキナワの家」の建築家の事務所から問い合わせを頂いたことを大変うれしく思い、
早速お礼のお電話をしました。
伊礼さんは不在でしたが、先ほど電話を頂いた女性スタッフにお礼をお伝えしました。

是非お会いしたい、そう思い、
資料請求のカタログに手紙を同封して送りました。

実は、その手紙が こんなところに UPされています。
 *もう5年も前の話ですが、よくこんな手紙を書いたモノだと思います
 *ブログにUPされていたことに、1年くらい気づきませんでした。

届いた頃を見計らって連絡を取り、アポイントを頂きました。
17時に事務所に伺い、1時間ほどお話ししたあと、
「食事でもいかがですか? 出来ればスタッフの皆さんもご一緒に」とお誘いしたところ
「いいですよ」
ということになり、近くのお店で22時頃までいろいろなお話を伺いました。

自宅のリフォームを担当していただいたSさん以外の3名にも参加していただきました。

この初めて伊礼智設計室にお邪魔したときの4名のスタッフの最後の一人であり、
伊礼さんと会うことができたきっかけの電話を頂いた方が、寿退社となりました。
既に多くの方のブログでもUPされています。

うれしいというか、寂しいというか・・・。

これからは、妻として母として、
そして地元に良い住まいづくりを根付かせるつくり手として
活躍を期待しております。

5年間、大変お世話になりました。
ありがとうございます。

本件に関しては こちら でも紹介されております。
併せてご覧下さい。

宿谷先生と1時間ほど話をしました

全国フォーラム終了後、電車で帰るメンバーが宿谷先生と私の2名だったため
隣り合わせで席をとり、甲府→八王子までご一緒しました。
何年前でしょうか、弊社で講演をお願いしたこともあるのですが、
こうして長い間、二人で話するのは初めてだったかもしれません。

既にフォーラム終了後の懇親会でも、だいぶビール&ワインを頂いていたので
どこまで記憶が定かであるかはわかりませんが・・・・以下にまとめてみました。

環境がビジネスにならなければ、地球温暖化・エネルギー問題は解決しない
・デンマーク 造船業→風力発電(流体学の知識を活かして)
・ガス会社→給湯会社に(ガスの提供 価値のひとつは給湯→太陽熱利用給湯装置)
  *一般家庭の給湯のエネルギー削減が一番効果がある

ヒトには環境対応力がある
・エアコン利用生活と利用しない生活
  →汗の掻き方が変わる(熱中症になりやすい)
   寒いときに燃えやすい脂肪が普通の脂肪になってしまう(メタボに)
・但し、エアコン慣れしているヒトでも、生活を正せば、元に戻る

マニュアルがあっても仕事が出来ない学生が増えている
・宴会の段取りができない
・その場をイメージして必要な仕事を抽出、実行することができない

もっといろいろな話をしたように思うのですが・・・・(笑)

宿谷先生は毎年区内の緑のカーテンを実践する小学校で温熱環境の授業をされています。
来年度の授業は聴講に伺いたいと思います。

ワインツーリズム

全国フォーラムの前日、ワインツーリズムに参加しました。

シャトー酒折の醸造家、井島正義さんからワインづくりについて説明をいただきました。

日本人の年間ワイン消費量
 3本/名 うち、2本が海外もの
 私は月2本くらいでしょうか? でも確かに国産ワインを飲む機会は少ないですね。

良質のワインをつくるために
 取れた果実を洗わずにつかうのがワインの流儀。
 だからこそ、使用する道具などの清掃にこだわっている。
 また酸化防止剤は、二日酔いの原因と言われることもあるが、
 長期保存、熟成させるためには酸化させないことが重要なポイント。
 シャトー酒折では、酸化防止のための3通りの方法
  ①酸化防止剤(亜硫酸塩など)
  ②加熱
  ③ドライアイス  
 の中からワインの品質を考え、適所に①を少量使い、あとは③を実施しているとのこと。
 その様子も見学させていただきました。

おまけに、おいしい梅酒の作り方についても伺いました。
 6月からつけ込み、翌年3月で実を取り出すのがコツ。
 3ヶ月で実を取り出した方が実がしわしわで取れる梅酒の量も多い。
 但し、3ヶ月以降、種からのうまみが出てくるので、量は減ってもあと6ヶ月は寝かせるべき。
 なお、9ヶ月以上経つと渋みもでてきてくるとのこと。

続いて、ワインのためのブドウづくりの栽培家、池川仁さんからお話を伺いました。

ワインのための葡萄を育てる
 ブドウの生食生産技術は、世界有数の日本(山梨)。
 しかし残念なことに、ワインのためのブドウ生産技術はまだまだこれからとのこと。
 理由は、生食用で見た目の悪いものをジュースやワインにしてきた経緯があり、
 ワイン用のブドウの単価が安く(1/2程度)なり、専用に取り組むことが仕事になりにくかった。
 90年代に入って、ワイン用のブドウを育てる農家が増えてきている。
 糖度が20%近くのものも出来ており、育てるポイントも若手生産者に広がりつつある。
 フランスからワインのためのブドウ生産技術を取り入れたが、
 山梨には山梨に合ったブドウ生産技術がある。
 ブドウをモノとして扱うのではなく、生命が宿っていると考え、
 一つ一つの木の育ち方や土の様子、天候などに配慮した育て方が、
 その地で出来る最高のブドウを育て、最高のワインへとつながる。

次に、車で移動し、荻原葡萄園へ。
株式会社Kisvinの荻原社長のお話を伺いました。

せっかくブドウを育てるなら、ワインに出来るくらいの質のものを育ててほしい。
そのほうが育てがいもあるし、愉しいはず。
愉しくなければ、継続されない。
農業は植物に生命を与える仕事。その生命を慈しみ大切に育てて欲しい。
うまく行かないからといって簡単に止めて欲しくない。

ワインの良いところは
自分が丹誠込めて作った葡萄から出来たワインを孫に飲ませることが出来ること。
おいしいと思うかどうかはわからないが、
祖父のやってきた仕事が何であったかは、孫に必ず伝わるはず。

孫が良い住まいと思うかどうかはわからないが、
どのような思いをもって祖父が家を建てたのか。
三世代にわたって住み継がれる家には、そんな建て主の思いが伝わるのかもしれません。

ブドウとワインの奥深さを感じた1日でした。
ワインというのは、そんな一人一人の思いのこもった製品なんですね。
今晩の集まりにもそんな物語のあるワインを持参したいと思います。

第三回全国緑のカーテンフォーラム 盛会でした

3月21日に甲府で行われた第三回全国緑のカーテンフォーラム
小沢大臣がお越しになることもあり、金属探知器ゲートが設置されました。一時的に、入口に行列が出来るほど。開会セレモニー。
小沢大臣のご挨拶です。
緑のカーテンに対する関心と期待を語られました。
第2回に続き、満席に。今回も立ち見でした。基調講演は、東京都市大学 環境情報学部 教授 宿谷昌則先生
緑のカーテンの緑被率が60%を越える辺りから、住まい手の満足感が上がってくること。
熱に対する基本的なお話から、快適さは温度や湿度だけではないことが判ります。
エアコンに頼りすぎることで、汗がでにくい体質になってしまう学生が増えているとのこと。山梨環境カウンセラー協会会長の石井迪男さんによる事例紹介。
右手に見られるような、間伐材を使ったキットや手作りの雨水利用システムが紹介されました。パネルディスカッション。
ちょっと時間が押してしまったのが残念でしたが、
ブドウによる緑のカーテンの実践者や地元のワインのためのブドウづくりの専門家。ワインツーリズムの仕掛け人など、山梨の文化ともいえるブドウの可能性について語り合いました。そして楽譜付きの「MIDORI」の新発売を記念しての合唱。

最後は緑のカーテン応援団理事長が締めました。

あっという間の3時間。もっと話を聴きたかった感じもありました。

*写真が全体的に暗くなってしまい失礼しました

第四回全国緑のカーテンフォーラムは、7月28日、京都市にて開催される予定です。
開会時の門川市長のメッセージでも、次回の京都での開催を楽しみにされているとのこと。
次回は、教育をテーマに行われることになりそうです。

二条彪さんの講演会

区内の異業種交流会に二条彪さんがお越しになりました。
年間講演回数が300回を越える方のお話。興味深い内容でした。

簡単にまとめてみました。

・良い経営者は、湯水のごとくアイデアが浮かび、勇気を持って実行しなければならない
・経営とは察する力が大切であり、デザインする仕事である
・意思決定は、失敗事例から学び、常に自らの全能感を疑って行う
・閾値を越えた経験の有無が社会人として重要である

海外の中小企業経営者との交流もあり、
日本と同様の課題を抱えているとのお話でした。

どこに行っても中小企業経営の悩みは同じなのかもしれません。

湯水のごとくアイデアが湧き出てくると良いんですが・・・