ある古い建物では、雨が降ると室内から雨だれが見えるようになっているとのこと。
雨といもついているようですが、室内からは大屋根部分の雨といは見えず、
庇から落ちる雨だれのみ見えるように設計されているとのこと。
最近、光や風を巧く取り入れた建築といった広告が多くなっています。
電車などの中吊りでもそうした分譲住宅やマンションの広告も増えているようです。
しかし「雨」を巧く取り入れたという広告はなかなか見かけることはありませんね。
こう考えると雨といは脇役に徹していると言えそうです。
私の生まれ育った住まいは、金属屋根の平屋でした。
おそらく断熱材も入っていなかったので、雨が降る音が聞こえたので、
外の様子がわかる建物でした。
今はマンション住まい。雨が降っても気がつかないくらい外の音が聞こえません。
雨風をしのぐことが建物の大切な役割ではありますが、
天候や季節を全く感じないのも問題だと思っています。
特に自然とかかわる機会の少なくなっている都会や現代社会では、
こうした感性を保っておくことが大切だと思います。
雨が降ることも楽しめるようになる。
そんな五感に訴えるような雨のみちがデザインできると良いですね。