緑のカーテン東京フォーラムの聴衆者より その2

緑のカーテン東京フォーラムの聴衆者より その1

第1回「緑のカーテン」東京フォーラムin池袋@立教大学(10/30)。
後半のパネルディスカッション「『池袋の景色が変わる』緑のカーテンと区民の力で」の報告です。

新宿や渋谷とならぶ副都心として位置づけられている池袋。
1日の乗降客が246万人にもおよぶ巨大ターミナル池袋駅や5つの大学を抱え、
業務・商業機能も集まっていますが、
ビル街のすぐそばに住宅地が広がる生活都市でもあります。
そんな日本有数の高密都市・池袋のまちづくりに、緑のカーテンはどんな役割を果たしうるのか。
4人のパネリストから、示唆に富んだ提言が寄せられました。

<隈研吾氏(建築家、東京大学教授)>
「市民参加のまちづくり」を掲げるのは簡単だが、具体的にすすめるのは難しい。
緑のカーテンを自分で手作りすることは、都市の緑化に直接結びつく活動であり、
都市計画に市民知を反映させる第一歩になる。
そうした「小さな緑」と、公園のような「大きな緑」をつなげていくことが都市にとっては重要。
街の中心部と住宅地が隣接している池袋には、その点で大きなアドバンテージがあり、
先進事例になる可能性を秘めている。

また、緑化のプロではない市民が手作りしたものには多様なおもしろさがある。
それを披露しながら人々が交流する「オープンハウス」を試みてはどうか。
昔の日本家屋の縁側でなされていたような「他人を呼ぶ仕掛け」が街を活性化する。

「大きな緑」については、設計を担当した豊島区役所新庁舎のプランを紹介したい。
日よけ、緑化、太陽光発電など、
多様な機能をもつパネルが木の葉のように建物をつつむ「エコヴェール」を導入することで、
タワー建築の壁面緑化が可能になった。
こうした立体的な緑のカーテンは、池袋のような高密都市にはぴったりで、
他の建築への広がりを期待したい。

〈高野之夫氏(豊島区長)〉
豊島区の公園面積は23区最下位。緑被率も下から数えた方が早い。
約1万本の苗木を植樹した「学校の森づくり」事業などを通じて公共の緑を増やす取り組みを行ってきたが、
民有地の緑は減少している。
区の人口は今も増え続け、空き地もない中、緑のカーテンは大きな突破口となる。

緑のカーテンの活動を大きく広げていくには、やはり地域の支えが必要。
人々が互いに協力しながら取り組むことで緑が広がり、コミュニティも育まれていく。
また、街の美化や防犯にもつながり、さらには節電の効果もある。
大がかりなことをせずともさまざまな面で有効な緑のカーテンには大いに期待している。

豊島区も、苗の配布やコンテストの実施をはじめとする推進策に取り組んでいるが、
その実効性についてはじゅうぶんつかみきれていない面もある。
また、条件の厳しい場所での取り組みなど、地道にチャレンジしている人々の努力に報いたい気持ちもある。
区民がさらにやる気になるにはどんな施策が必要なのか、知恵を借りつつ検討していきたい。

Facebookにアップされた 渡辺由美子さん の報告を許可を得て、転記させていただきました。

“緑のカーテン東京フォーラムの聴衆者より その2” への1件の返信

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    タイトル : 緑のカーテン東京フォーラムの聴衆者より その3
    緑のカーテン東京フォーラムの聴衆者より その2<石森宏氏(NPO法人ゼファー池袋まちづくり/アイポイント理事長)>「ゼファー池袋まちづくり」は、池袋西口商店街連合会を母体として生まれたNPO。池袋西口を活性化するためのさまざまな活動に取り組んできた。地域通貨「アイポイント」は、放置自転車対策、繁華街の環境浄化パトロール、街の緑化と美化、都市と農園との共生という4つのプロジェクトを連動させた活動。緑化については、立教大学社会学部阿部治ゼミと協力し、大学のシンボルであるツタを池袋の街じゅうに広げる取り組み…… more

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