みなとモデル

先週末、WASSの研究会に参加させていただく機会がありました。
 *WASS:木と建築で創造する共生社会研究センター

話題になっている港区の「みなとモデル二酸化炭素固定化認証制度」がテーマ

木が持続可能な社会において重要な役割を果すことを改めて実感しました。
森林が残っている日本は世界的にも優位に立てる可能性が高く、
こうした制度が充実することで、木を生かした建築が進んでいくように思います。

認証制度設計委員会の委員長である小林紀之先生も参加。
京都議定書や世界の動きなど様々な法律などとの関係をふまえながら
制度設計を進めていく苦労が理解できました。

志高い大人が次世代のためにこうしたシステムづくりに取り組んでいる。
子どもたちにはこんなこともしっかりと伝えていきたいですね。

建築が教育を変える

先週、福井で見学してきた学校やお会いした大学教授の話から、この本を購入、読みました。

建築が教育を変える 福井市至民中の学校づくり物語

建築が教育を変えるという題はちょっと大げさ。
しかし 「指示と規制」中心 から 「自立と協働」中心 の教育に体制を変えるとなると
建築(それだけではないですが)のあり方も大きく変わってきます。

至民中学校の新校舎は、そんな変化をうまく捉えた先進的な事例であり、
2年間の実績で、その効果も着実に積み上がっているようです。

第7章に「学校は足を踏み入れるすべての人にとっての学び舎でありたい」
とありますが、まさにそれが実現しつつあることを感じます。

設計(建築)は、設計工房顕塾の柳川奈奈さん
第3章を担当されています。
「柔らかい学校建築は文化を育む」 まさにそんな学校へと動き出しているようです。

一度、実際に活動が行われているところに行ってみたいですね。 

丸岡南中学校

日曜日、坂井市にある丸岡南中学校を見学してきました。

知識基盤社会における教育のあり方から
ハードとしての学校建築も変わってきている。
その先進的なモデルを視察することが目的。

設計に携わった長澤悟先生や教育関係者も一緒でした。
新たな取り組みを9月から実施する予定の
京都市の私立中学校の先生も参加されていました。

まず感じたのはオープンなスペースが多いこと。こちらは最初に案内された校長室ですが、まさにガラス張りです。
*中にはブラインドもあってケースによっては視線を遮ることも可能になっていました

また教科毎にメディアセンターというスペースが設けられていること。こちらは数学のメディアセンター
オープンなスペースに数学の専門の先生の席があり、
廊下を経た先にある教室が数学を学ぶ部屋になっています。
中学では専科の先生がそれぞれの教室にきて学ぶのが一般的ですが、
この学校では、専科の教室を生徒が廻る形式になっています。(教科センター方式)
こちらは理科のメディアセンター
昼休みなどは生徒のたまり場にもなっているそうです。
校長先生の話によると、各教科のメディアセンターに生徒が如何に集まるか
それぞれ知恵を絞っているとのこと。
良い意味での競争原理が働いているようです。

その他、様々な工夫も見られました。
ドアまで黒板になっている。(数学の教室)

体育館と見学者の高さの関係が程良い関係に。(1.5m程度の高低差?)
ちなみに直接光を嫌う体育館では、外の下からの光りが入るように設計されています。
雪で覆われた時期は反射光で結構明るいとのこと。
それを見越した光のみち計画になっているそうです。

心地よさそうな居場所もたくさんありました。風のパティオ
130mあるベランダ。
実際には地べたに座っている生徒が多いそうです。
外の教室。部活で来ていた子どもたちが寝転がっていました。
鳥のパティオ
ランチルームや図書室に隣接する場所です。
学校と運動場の間を流れる水路。
雪解け水が多いためか、豊かな水の流れでした。

様々なつながりやかかわりが感じられる学校。
東京のような狭いところでは難しいのかもしれませんが、
豊かな時間が過ごせる学校だと感じました。

雨のみちをデザインする仕事と何がつながるのかと言われると・・・・
なかなか難しいものがあるのかもしれません。
但し、校長からはこんな話がありました。「このパティオには軒といがありません。
雨の日になると、屋根の谷の部分から雨が勢い良く流れてきます。
それを楽しんでいる子どもたちがいるようです。」

こんなところにヒントがあるのかもしれません。

建築コンクール

4月24日に開催された建築コンクールに行ってきました。
愛知建築士会名古屋北支部主催。
審査員は 中村好文さん古谷誠章さん伊礼智さんの3名。
148作品から最優秀1作品、優秀3作品、審査委員賞3作品、入選13作品。
計20作品を選ぶこととなります。

公開コンクールに初めて参加しました。
審査員それぞれの思いを伝えながら、公開される中で選ばれる。
結果、納得感のあるコンクールだったと思います。
審査員の皆さんが真剣に作品パネルとご覧になられており、
スタート前は声をかけにくい雰囲気がありました。
第1次審査後に3名の審査員から20作品を選んでもらった結果の一覧です。

2次審査では上記を20作品に絞り込むために、
・3名とも選んだ作品はOK
・2名が選んだ作品は、選ばなかった1名の理由を確認
・1名が選んだ作品は、選んだ1名の理由を確認

以上の進行の中で、2次審査で20作品に絞り込まれました。

そして3次審査を経て
最優秀賞「おひるねハウス」

優秀賞その1「小郷のバス停」

優秀賞その2「FRP FABRIC COPSE」

優秀賞その3「OYM」
以上の通り決定しました。

作品番号でも判るとおり、1次審査で3名とも選んだ4作品がそのまま最優秀・優秀賞になったということになります。

審査の経過を見学しながら感じたことは
・小さな家だからこそできること、訴えられることがあるか
・作者の思いが素直に伝わってくるパネルになっているか
・写真はやはり大切

3名の審査員の読みとり方、感じ取り方の違いも見え隠れし、とても勉強になりました。
小さな家が選ばれなかったことはちょっと残念。
この審査結果とメーカーとして考えるべきことが正直つながりにくかったです。

様々な建材をあつめてこんな事をやっていただけると
メーカーとしてやるべき事がもっと明確になるかもしれません。

なお本コンクール、来年も継続とのこと。
どのようなテーマになるのでしょうか?今から楽しみです。

*カワイイ建築  なんていかがでしょうか?

建築コンクール テーマ「小さな建築」

社団法人 愛知建築士会 名古屋北支部設立20周年記念のイベント
いよいよ今週末となりました。

建築コンクール テーマ「小さな建築」

私も当日は大曲にいるのですが(ちなみ現在は大阪)、朝一番で移動し、名古屋入りします。

公開審査というものに参加するのは初めて。
どのようなものになるのか、今から楽しみです。

小笠原伯爵邸 続き

夕方からスタートだったので、明るいうちに撮れた写真が少ないのですが・・・いかにも欧風な雰囲気です。階上から見たパティオ。晴れていたので、ここでケーキ入刀が行われました。お庭です。お部屋にはルーレットもセッティングされていました。

現在はふらっと立ち寄っても入店できるようです。
但し、値段は判りませんが・・・。

ホテルで行う披露宴とはまた違った雰囲気を堪能させていただきました。
ありがとうございました。

高反射率塗料

久しぶりに晴れました。
週末が花見の見頃でしょうか?

さて、本社4階から敷地内の建物の屋根を撮った写真です。
ほぼ同色に見えますが、違う塗装の屋根材を試験的に葺いています。

これを熱画像でみてみると・・・・こんな感じになります。温度の違いが一目瞭然ですね。
ヒートアイランド減少を抑制するために、こうした塗料に対して助成制度もあるようです(エリア限定)。
塗装も良いですが、こうした塗装が施された屋根材も対象になると良いですね。

*今日のような肌寒い日は、熱が伝わってきた方がうれしいときもありますね。
*手前の古いスレート屋根は、更に温度が上がっているようです。

伊礼さんに出会えたきっかけとなる一本の電話

私が初めて伊礼智設計室にお邪魔することになったきっかけは、
スタッフから弊社に頂いた一本の電話でした。

社長に就任して2年目の冬。
土日休みなんですが、仕事が終わらず、ひとりで土曜出勤。
シーンとした中で、黙々と仕事をこなしていたところ、電話がなりました。

普段、あまり電話を取ることはないのですが、
一人だったことや、その時の「呼び出し音」が
何か違って聞こえた?こともあり、取ってみました。

資料請求の電話でした。
内心「HPからでも資料請求は出来るのに」とか
「なんで今日は留守電にならなかったのだろう」などと思いながら、
問い合わせの内容をメモしました。

送り先の社名、住所を聴くと
「あれ、この名前はどこかで聞いたことがある」
「この住所って、OMの石田先生がいらっしゃった事務所の近くでは?」
などと思いつつ、電話を切りました。

そして、残務処理に集中していたところ。

あれだ!!

と思い出し、会社の書棚へ。
手に取った本は、「オキナワの家」
著者を確認すると 建築家伊礼智 とあります。

実はちょうどその頃、絵本をつくろうと構想中でした。
ご存じの方も多いと思いますが、
雨くんのひとり旅」 という絵本。

タニタハウジングウエアの仕事は、つくったモノを売って終わりではなく、
そのモノによって、住まい手が得られる価値を提供しているんだ。

私たちの仕事を「雨のみちをデザインする」ことと位置づけ、
その思いを、社内外にうまく理解してもらうために、
絵本をつくってはどうかと考えていました。

そんなとき、2004年の12月頃でしょうか、池袋のジュンク堂で偶然出会ったのが、
「家ってなんだろう」「家のきおく」「オキナワの家」の3冊。
早速3部ずつ購入し、1冊は自宅に、1冊は会社に、
そしてもう1冊は絵本づくりを一緒に考えて頂いている会社に送りました。

中でも一番印象に残っていたのが「オキナワの家」
以前、沖縄に行った際に、名護市役所や中村家を見ていたので、
とても親しみを覚える内容でした。

「オキナワの家」の建築家の事務所から問い合わせを頂いたことを大変うれしく思い、
早速お礼のお電話をしました。
伊礼さんは不在でしたが、先ほど電話を頂いた女性スタッフにお礼をお伝えしました。

是非お会いしたい、そう思い、
資料請求のカタログに手紙を同封して送りました。

実は、その手紙が こんなところに UPされています。
 *もう5年も前の話ですが、よくこんな手紙を書いたモノだと思います
 *ブログにUPされていたことに、1年くらい気づきませんでした。

届いた頃を見計らって連絡を取り、アポイントを頂きました。
17時に事務所に伺い、1時間ほどお話ししたあと、
「食事でもいかがですか? 出来ればスタッフの皆さんもご一緒に」とお誘いしたところ
「いいですよ」
ということになり、近くのお店で22時頃までいろいろなお話を伺いました。

自宅のリフォームを担当していただいたSさん以外の3名にも参加していただきました。

この初めて伊礼智設計室にお邪魔したときの4名のスタッフの最後の一人であり、
伊礼さんと会うことができたきっかけの電話を頂いた方が、寿退社となりました。
既に多くの方のブログでもUPされています。

うれしいというか、寂しいというか・・・。

これからは、妻として母として、
そして地元に良い住まいづくりを根付かせるつくり手として
活躍を期待しております。

5年間、大変お世話になりました。
ありがとうございます。

本件に関しては こちら でも紹介されております。
併せてご覧下さい。

東京愉しい暮らしぶり展

東京 愉しい暮らしぶり展に参加してきました。
各工務店で家づくりを終え、オーナーとして生活されている方たちがお客さまの中心です。野辺さんの講演、各オーナーからの愉しい暮らしぶりの紹介。そして懇親会。
工務店さん達の仕事の成果を確認する機会になったようです。
実は、私にとってもうれしいことが。
一人のオーナーの方が弊社のレインバンクをつけ、雨水利用を愉しんでいると
わざわざ私のところまで報告にお越し頂きました。
住まい手とほとんど接点がないメーカーにとって誠にうれしい話です。弊社の展示ブース。
吉田さんの書による表札も展示させていただきました。

今回は家族での参加ということもあり、子どもたちが数多く参加されていました。
住まい方に関して学ぶ機会がほとんどない日本。
こうした場に参加した子どもたちが自分たちの住まいを考えるとき、
現在のお住まいやこのような場に参加した経験が、意思決定に良い影響を与えると思います。

そんな住まい方の教育の場としても良い集まりだったと感じました。

継続開催されることを楽しみにしております。