ホテリ・アアルトから学ぶ 居心地の解き方

建築家岡田新一さんの事務所で仕事をしていた経験もある建設会社を経営するオーナー。
益子義弘さんとは、設計された金山町火葬場を見学して惚れ込み
2003年には仙台にモデルハウスの設計を依頼してからのお付き合いだそうです。

以前からメンテナンスに入っていた裏磐梯の保養所。
サスティナブルな建築を考えていた時に縁があって手に入れることに。
早速ホテルにしようと益子さんにお声がけしたようです。
益子さんにとっては初めてのリノベーションでありホテルであったそうです。
保養所をホテルに蘇生する。
既存の骨格を地として、そこにあらなた図(空間・場)を考えました。
また、住まい手にとって、居心地の経験もできることで住まいにもつなげていく
というオーナーの要望もあったようです。
猪苗代湖、裏磐梯という場所で、復活した深い森があり、
敷地内には透明度の高い沼もありました。
ファサードはできるだけ迎え入れる雰囲気にするため
元は倉庫だった1階(地下)部分を抜けの空間とし、その先にある森へいざなう設計となっています。

レストランは増築することとし、
最上階にあった食堂部分も含めて、客室としました。
骨格を変えないことを基本とし、結果として13客室すべてが異なる間取りに。
一部屋一部屋新しい場を発掘していくような仕事だったそうです。

地場材・ナチュラルな素材をベースに、
ホテルということで痕跡(リノベ)の匂いは消しておくべきとしたとのこと。

私も一度宿泊させていただいたことがありますが、
居心地がよく、リピーターが多いことも納得できるホテルです。

益子さんは、居心地を支えるものは、
建築というハードよりも食事や働く人たちのサービスなど、ソフトにあるとお話されました。
消しゴムで緩める

この言葉も印象に残りました。
一旦細部まで設計したあと、消しゴムで緩めることで謙虚になれるというお話でした。

シングルベットが2つ並ぶ間に骨格として1本の柱が残る部屋があります。
1本のままだとシンボリックになってしまいがちだが、
2本にすることで空間になるというお話もありました。

思わず、たてといと置き換えて考えてしまいました。
なるほどなあと・・・。

現在、湖畔の部屋や会議棟を新たに計画中だそうです。
また行ってみたいですね。

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