雨のみちをデザインする 株式会社タニタハウジングウェア

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ディテール Detail

第2回目は「1.みせる」のふたつ目、雨水が流れ落ちる先の吐水口をデザインした“ガーゴイル”を取り上げます。西洋建築の魔除けと雨樋(雨水の吐水口)の役目を持ち、怪物等の彫刻であり門や屋根の装飾として設けられていた“ガーゴイル”は、主としてゴシック建築に見られ、20世紀になってからは、ル・コルビジェのロンシャンの教会(1950 - 54)が発表され、建築の表現として再び脚光を浴びました。
(*詳しくはウェブマガジン「雨のみちデザイン」連載:大嶋信道の「雨のみち探偵団」vol.1~3をご覧下さい)
ゴシック建築の様に本来は彫刻的なものですが、シンプルな納まりも一つのデザインと考え、近現代建築のガーゴイルを見ていきます。

1. 手すり壁のスリットに、かわいいガーゴイル
リヴァ・サン・ヴィターレの住宅 (1972年/マリオ・ボッタ)

 マリオ・ボッタはコンクリートブロックという工業製品を使い、単純な形態の中に半屋外の外部空間を挿入して、美しく居心地の良い住まいを数多く設計しています。単純がゆえに外部に出る雨樋はその美しさを崩す要素となります。この住宅は、4層の吹抜けで各階にテラスがある複雑な半外部空間を持っています。複雑な外部空間故に一番の問題は雨水の処理です。吹き抜けの上部に屋根を設けテラスに入る雨の量を少なくし、各階のテラスの雨は手摺壁のスリットに設けられた半円筒のかわいいガーゴイルで地面に流しています。

2. 豪快なコの字型の鼻から出て、池の口で受けとめる
香川県立体育館(1964年/丹下健三)

 弓なりに湾曲したマッシブな壁が地上から持ち上げられた重量感がありながらもどこか軽快感が漂う不思議な建築です。その存在感に負けない様に屋根の一番低い位置に設けられた先が細くなったコの字ガーゴイルは、その両サイドに設けられた丸い換気口(?)と相まって不思議なかわいさを醸し出しています。ガーゴイルの先には池が設けられ、滝の様に流れ落ちると思われる雨水を受けます。池は波紋をつくり出し風景の一部となります。

3. リズミカルな屋根に、控えめなガーゴイル
武蔵野公会堂(1963年/日建設計工務)

 ホールの音響を考慮した内部天井の形態がそのまま屋根の形に現れた、山並みのような大人と子供が万歳をしているようなリズミカルでユニークな建築です。Rの底部に設けられた豪快なガーゴイルとうってかわって控えめなガーゴイル、建物に対して申し訳なさそうひっそりとついています。屋根の内側で雨水を処理する場合、Rの最下部は雨だれとなり外壁を汚します。この控えめなガーゴイルは、小さくても汚れを防ぎ雨を流す立派な役割を持った雨樋です。

4. 庇の隙間から現れる美しきガーゴイル
ザ・プリンス箱根芦ノ湖 (1978年/村野藤吾)

 村野藤吾設計の「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」は、芦ノ湖のほとり、富士山のお膝元にあります。東西2棟のドーナツ型の客室棟が特徴的です。ドーナツは客室に合わせて24分割されています。柱は頂部で細く跳ね出し頂部でY字に分かれ、分節された水平の庇を支えています。ここでは樋を感じさせない2つの美しい雨の処理がなされています。ひとつはバルコニーとならんでドーナツ型の外周に現れます。コールテン鋼の裸仕上げ、赤銅に錆びたバルコニーをあたかも支える柱のような樋が、有機的な建築を引き締めて美しい。これは第8章の「にせる」の一例です。もう一つは今回の主題であるガーゴイルです。分節された庇のスリット部分に設けられた樋はY字型の柱頭の一部となって竪樋とともに美しいファサードをつくり出しています。

5. ガーゴイルはどこ?塔と一体化した美しいシルエット
横浜市開港記念会館(1917年/山田七五郎、佐藤四郎)

 「横浜市開港記念会館」は、赤煉瓦に花崗岩を取り混ぜた、辰野様式の赤煉瓦建築です。一際目を引く高さ36mの時計台は「ジャックの塔」の愛称で親しまれ街のランドマークになっています。すっと伸びる四角の塔の頂部でドーム状の形態に切り変わる部分の四方に樋が取り付いています。一見すると大砲に似せた装飾のような樋を感じさせない一体となった美しいシルエットをつくり出しています。

6. 軒樋と排水溝を一体として美しくデザインする
メゾン・カレ邸(1959年/アルヴァ・アアルト)

 西下がりの斜面に沿った美しい片流れの屋根が来訪者を迎えます。その屋根をスッキリ見せるため竪樋がなく、先端に軒先と一体にデザインされた軒樋のみが設けられています。軒樋の端部は屋根から跳ね出し、先端が絞られた形で開放されています。小さな象の鼻のようなガーゴイルです。解放された雨はデザインされた雨受けの排水口に落ちます。軒樋と排水口が一体となった美しいデザインです。

7. 考えつくされた遊び心溢れるガーゴイル
ふじ幼稚園(2007年/手塚貴晴・手塚由比)

 楕円形のドーナツ型の幼稚園です。中庭側は子供たちのスケールに合わせて低く抑えられた水平の美しい庇が回っています。屋根はデッキが敷かれ子供達の天空の遊び場になっています。手摺は軒先から少し下がった位置に設けられ、先端が建築化された軒樋となっています。竪樋はなくコの字のステンレスとベロのような樹脂でつくられたガーゴイルで雨水をスムーズに導きます。その下には砂利の入った円形の枡が雨を受けます。幼稚園らしい遊び心満載のデザインです。

8. 参拝を迎える像の鼻のようなガーゴイル
上野寛永寺

 寺社や書院には軒樋、竪樋をつけない例が多くあります。軒先から落ちる雨は水のカーテンとなり、跳ね返りを防ぐ犬走りに落ちます。樋がないため軒先はスッキリし、屋根本来の水平性、おおらかさ、重厚感、荘厳さが十分に表現されたファサードをつくり出します。雨が水のカーテンとなり美しいけど雨の日の使用には問題が生じます。「上野寛永寺」は正面が入母屋の大屋根でとても象徴性が強い建築です。寺社には参拝という行為があります。それに対応するように、参拝をする正面のみに樋が設けられています。その端部はデザインされていて、まさに象の鼻のようなガーゴイルです。その下には蓮の葉のような美しい水盤があり雨を受けます。

9. 大量の雨を流し、建築の一部とする
上:インド建築学校(1959年/ル・コルビュジェ) 下:サラバイ邸(1951年/ル・コルビュジェ)

 今まで何度となく作品集や実際の建築を見ているのに、ル・コルビュジェの建築で雨樋を意識したことがありませんでした。そう思い改めてみて見ると露出する樋はほとんど見当たりません。あってもうまくデザインされていて全く気になりません。雨の処理で見えるのは徹底してガーゴイル=象の鼻です。ともにスコールがあるインドに建つ建築です。インドのスコールは半端ではないようです。あえて大量の雨を直に流すことで、雨自体が視覚され動きのあるファサードをつくります。

10. 山を流れた雨が谷に集まり、芝生の滝壺へ
日南市文化センター(1962年/丹下健三)

丹下健三が九州に唯一残した建築です。モチーフは日南海岸の波状岩。垂直面がほとんどない傾斜した三角形の壁からなる岩山のような造形が目を引きます。外部には複数の突起が出ていて、コンクリートのマッシブ感を和らげています。そのうちの三角形の合わさる谷についた一つが樋です。山を流れた雨が谷に集まりさらにガーゴイルによって滝の様にアールのコンクリートに囲われた滝壺のような芝の面に落ちます。

タニタメモ

 今回は、著者の堀さんに、さまざまなガーゴイルを取り上げていただきました。雨を美しく、屋根から地面へ導くことも大切ですが、ガーゴイルを取り入れ、その課程をあえて視覚化することで、雨そのものを感じる楽しむことができます。

タニタでは「雨水とりだし口 パッコン」という製品をつくっています。これは既存の雨とい(たてとい)の途中をカットすれば簡単に取付けることができるものです。これをとりつけて、あとは好みの溜める器を用意すれば、手軽に雨水を溜めることができます。

 また、タニタでは、既製品に合わせて特注でガーゴイルを製作することにも対応しています。写真は「ビルステン80Φ 縮管付丸エルボ105°」の製品を特注加工し、軒とい(ガルバリウム雨といHACOタニマットガンメタ)に色を合わせて着色したものです。

雨水が垂れるところには、砂利を敷き詰めたマスを埋設しています。
設計:矩須雅建築研究所

雨とい、屋根、壁、金属外装など、雨にまつわることであれば、何でも気軽にお問い合わせください!
「雨のみちデザイン」の質の向上に、少しでも貢献できたら幸いです。

製品紹介サイト:雨水利用商品「雨水とりだし口 パッコン」
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