駅前広場に大きく張り出した軒と木屋根の架構が特徴的な建築で、駅前に印象的な外観と人々の拠り所を作り出している。広場と連続する軒下空間は、夏の暑さや雨を凌ぐ空間として貴重な場所であり、さまざまな場所に使われることが期待できるだろう。多摩産の小径木材で組まれた屋根と耐久壁の架構は地元工務店でも施工しやすいディテールとなるよう工夫されており、地域に根ざした集いの場として末長く地域の人々に親しまれる拠点となることを願っている。

一見すると大型建築のように見えるが添付された矩計図を確認すると、FLから軒まで約3mと心地よさそうな身体的スケールの建築であることが分かる。内部空間は天井高さはあるがコンパクトな空間ではないか。
それに対して圧倒的な存在感をもつ大屋根が周辺環境とどのように対応しているのか写真からだけではわからなかった。

方杖に支えられた大屋根が特徴の建築なのだが、途中で折れた屋根がアプローチ側の圧迫感を緩和しているのが良い。
方杖に添えた縦樋の工夫もまた楽しい。
大屋根に守られた２階の観覧テラスが魅力的である。

日本の山間の風景には折り重なる屋根がよく似合う。
８枚の片流れ屋根と軒下空間が生み出す軒先空間がつくりだす内外の中間領域がとても魅力的にみえた。
屋根は薄く、軒先はシャープなディテールも良い。平面図が添付されていなかったので人の動きはわからないが開かれた公共建築として人々に受け入れられる建築となるであろう。